【本カリキュラムは2016年度のものとなります。2017年度は決定次第掲載します】

演技レッスン

近藤強(俳優/青年団所属) 

「相手に反応すること、その場にいること。分かるようで分からない演技の基礎について考えます」

ビューポイントという俳優のための動きの即興テクニックを紹介します。ビューポイントはモダンダンスのトレーニングを米国人演出家が俳優向けのトレーニングに発展させたものです。様々なエクササイズを通して、自分の身体、共演者、環境への意識を高め、相手/環境に反応すること、俳優としてその場にいることの可能性を探ります。

兵藤公美(俳優/青年団所属)

「俳優が魅力的にみえる瞬間とはどういう姿なのでしょうか」

目に見える特徴を表現すること、別人に見えるよう工夫することでしょうか? 俳優はどのように考えて、演技をすればいいのでしょうか。演劇の仕組みを日常生活に当てはめながら俳優の作業を探っていきましょう。

古舘寛治(俳優/青年団・サンプル所属)

「有機的に演じるにはどうすればいいか? というクラスです」

「演じる」ということを始めたばかりの俳優は「いい表現、演技」を求めるばかりに自分のことで頭がいっぱいになりがちです。しかし普段の我々は有機的に周りの人、物などの環境と関わり、翻弄さえされています。そこにリアルがあると思うのです。有機的に演じるにはどうすればいいか? というクラスです。

松井周(劇作家・演出家・俳優/サンプル主宰)

「言葉と五感を通じて「環境」を把握し、制御をする」

演技に関して何かを学ぶというよりも、まずは身の回りを感じましょう。「環境」を発見すると言い換えてもいいです。五感というレーダーを通して「環境」を発見することは、同時に「自分」の輪郭をなぞる作業でもあります。壁を触ることは壁と手の境界を味わう経験です。次に、「言葉」というツールの使用法について考えます。「言葉」は人間が発明した人工物であり、人間だけの約束事です。その小さな約束事と五感を通して「環境」を把握し、制御しようという試みの中で生きているわけです。小難しい話じゃありません。当たり前のことを確かめてから、演技のことを考えたいのです。

山内健司(俳優/青年団所属)

「他者のほうへ」

俳優は他者の言葉をしゃべる仕事だと思います。この世界のほぼ全ての言葉は自分の言葉ではない。他者の言葉を自分の言葉と思い込むことが俳優の仕事とはどうしても思えません。自分自身の言葉とどのくらい距離があるのか、なぜかくも距離があるのか、ここへの関心、興味は、すなわち他者への関心、興味です。これは尽きることなく楽しいことですが、これを仕事として、新鮮に喚起し続けることは生半可なことではないとも感じます。それが俳優の技術の根っこだと思っています。

短編制作ゼミ

井川耕一郎(映画監督・脚本家)

いくつかの班に分かれて自分たちで短編映画を撮ってみましょう。映画の撮り方を一から教えますが、目指すのはプロのような撮り方ではありません。まずは、映画を撮る楽しみを味わってみることが大切です。そして、その経験をふまえて、「俳優にとって創造的な撮影現場とはどのようなものなのか」という問を一緒に考えてみましょう。おそらく、この問は、皆さんが演じ続けていく限り、この先ずっと考えていくことになるでしょう。

映画創作ワークショップ

深田晃司(映画監督)

映画にとっていい俳優とは、カメラの魅力的な被写体であることかもしれません。しかし、魅力的な被写体というだけであれば、監督にとってそれは、素人でもいいし、それこそ水でも火でも風に揺れる木々でも構わない。優れた俳優にしかできないこと、それは俳優自身が脚本を、作品を主体的に解釈し考えることのできる被写体になるということです。このプログラムでは、簡単な創作と、それを参加者自身が演じ撮影することで、カメラと俳優の撮る/撮られる関係性を再確認していきたいと思います。

自主映画レッスン

古澤健(映画監督)

デジタル時代になり「映画」の制作・上映は飛躍的に身近なものになりました。それは、これまで以上に俳優が自分の表現として「映画」を作る可能性が広がったことを意味します。「映画」を作る俳優へと至る第一歩として、果たしてカメラは演技を正確に記録する道具なのか、演技を変質させるものなのか、あるいは共演者なのか……考えてみましょう。それぞれがカメラを使って、遊んでみる授業になります。

映画演技実習(ミニコラボ実習)

万田邦敏(映画監督)、大工原正樹(映画監督)、保坂大輔(映画監督・脚本家)、横浜聡子(映画監督)、他

短編映画に出演することで、映画の演技を学ぶ実習です。また、フィクション・コースとのコラボレーション実習でもあります。プロの映画監督である、フィクション・コース講師が監督する短編映画に出演します。また、スタッフをフィクション・コース初等科生が務めるので、映画の演技を学びながら、他コースと交流ができるプログラムです。

【スケジュール】
班分け・ガイダンス:10月8日(土)15:00~16:00
リハーサル:A班:11月26日(土)終日、11月30日(水)19:00〜
         B班:11月26日(土)終日、11月27日(日)終日
         C班:11月27日(日)終日、11月28日(月)19:00〜
         D班:12月5日(月)19:00〜、12月7日(水)19:00〜
         E班:12月12日(月)19:00〜、12月14日(水)19:00〜

撮影:      A班:12月3日(土)終日、12月10日(土)終日
         B班:12月4日(日)終日、12月11日(日)終日
         C班:12月3日(土)終日、12月4日(日)終日
         D班:12月10日(土)終日、12月11日(日)終日
         E班:12月17日(土)終日、12月18日(日)終日

完成上映会:1月23日(月)19:00~

演劇創作ゼミ

平田オリザ(劇作家・演出家・青年団主宰)

「全員が台本作り、演出、出演に関わり、戯曲の基本的な構造の理解を深めます」

俳優育成ワークショップ生が他コースの受講生と、5~8名程のグループに分かれ、約1ヶ月かけて、15分ほどの一幕もの(場面や時間の移動がない)の演劇作品を作ります。全員が、台本作り、演出、出演にかかわり、戯曲の基本的な構造の理解を深めながら、演劇創作を体験します。この創作の経験者より、近年連続して岸田國士戯曲賞受賞者を輩出している、確立されたプログラムです。

1回目:9月15日(木)19:00〜  2回目:9月20日(火)19:00〜 3回目:9月26日(月)19:00〜  4回目(発表):10月16日(日)19:00〜
※各コマ3時間程度を予定、上記の他に班ごとに戯曲制作の時間があります。

俳優の権利と危機管理

深田晃司(映画監督)、山内健司(俳優)

今、俳優の仕事は多岐に渡っています。映画、ドラマ、広告、演劇、ナレーション・・・。事務所に所属している俳優も、フリーで活動する俳優も、最終的には自分の身体と心をさらけだして、ある作品世界の創造に寄与していきます。だからこそ、その仕事の過程、表現の領域で起きる種々のトラブルは、俳優にとってダイレクトに心身を傷つけかねないリスクを負っています。自立した俳優としてその仕事を長く楽しく継続していくために必要な知見をシェアしていきます。

修了公演

佐々木透-クレジット入佐々木透(劇作家・演出家/リクウズルーム主宰)

映画美学校が俳優アカデミー部門を持ち、その修了課程では映画作品を創作するだけでなく、演劇を一本創作するなんて、こんな面白いことはないと思います。専門学校の名のもとの、こうした総合的な試みは、作り手にも受け手にもハイレベルな刺激を齎すことは間違いありません。表現というのは地続きです。表出のされ方こそ違いますが、みな根っこは同じだと僕は考えています。でも、それを本当の意味で理解するには途方もない時間を費やし《足掻き》を繰り返さなくてはいけません。その足掻いている姿を、創る側、観る側、双方にとっての体験を通じて、表現芸術の生命力に満ちた炎を感じてもらえるならば、僕にとってこれほど喜ばしいものはありません。

【カリキュラム日程】

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