俳優の権利と危機管理

担当講師:深田晃司兵藤公美

今、俳優の仕事は多岐に渡っています。映画、ドラマ、広告、演劇、ナレーション……。事務所に所属してる俳優も、フリーで活動している俳優も、最終的には自分の身体と心をさらけだして、ある作品世界の創造に寄与していきます。だからこそ、その仕事の過程、表現の領域で起きる種々のトラブルは、俳優にとってダイレクトに心身を傷つけかねないリスクを負っています。自立した俳優としてその仕事を長く楽しく継続していくために必要な知見をシェアしていきます。

<ゲスト講師>
森崎めぐみ(俳優・全国芸能従事者労災保険センター理事長)

演技レッスン

担当講師:近藤強 

「動くんじゃなくて、何かに動かされる演技?」

シアターゲームなどを交えながら、ビューポイント(Viewpoints)という演技トレーニング方法を紹介します。ビューポイントでは、演技を時間的要素(長さ、テンポ、反応、繰り返し)と空間的要素(関係性、身体、ジェスチャー、建築など)に分けて考えます。全10回の講義を通してこれらの要素1つ1つについてじっくりと学びます。演技をする時に相手役、台詞、周りの環境(相手との距離や空間自体)など、周りにある様々なヒントに動かされて演技出来る身体作りを目指します。

担当講師:兵藤公美

「俳優が魅力的にみえる瞬間とはどういう姿なのでしょうか」

目に見える特徴を表現すること、別人に見えるよう工夫することでしょうか?俳優はどのように考えて、演技すればいいのでしょうか。演劇の仕組みを日常生活に当てはめながら俳優の作業を探っていきましょう。

座学と創作/演技について考える

担当講師:深田晃司

映画にとっていい俳優とは、カメラの魅力的な被写体であることかもしれません。しかし、魅力的な被写体というだけであれば、監督にとってそれは、素人でもいいし、それこそ水でも火でも風に揺れる木々でも構わない。優れた俳優にしかできないこと、それは俳優自身が脚本を、作品を主体的に解釈し考えることのできる被写体になるということです。このプログラムでは、簡単な創作と、それを参加社自身が演じ撮影することで、カメラと俳優の撮る / 撮られる関係性を再確認していきたいと思います。

短編映画制作実習

担当講師:竹内里紗宮崎大祐、他1名を予定

一般的な映画制作において俳優が実際に参加することになるのは往々にして撮影現場だけです。しかし、実際の撮影の前後(準備や仕上げ)にも、俳優が映画や演技について理解を深めるきっかけが溢れているように思います。本実習では撮影準備から編集作業までを俳優と制作者が共同で行い、撮影現場の外にも広がっている映画のさまざまな可能性を発見し学ぶことを目指します。

オンライン集団創作

担当講師:松井周

コースの垣根を越えて、オンラインであること、リアルタイムであることを条件にフィクション作品をつくってみませんか?5〜6人のグループに分かれて10分程度の作品をつくります。オンライン上で、台本をつくり、稽古したうえで、フィクションを成立させ、上演/発表します。コロナ禍において集団創作にどのように取り組むかを考えながら、演劇でも映画でもあるような新奇なジャンル?の作品づくりに挑戦できたらと思います。
※この実習は他コースの受講生も参加できるオープンゼミとなります。

演劇のバグ技

担当講師:本橋龍

演劇はここにあるものを別の何かに見立てることが基本なわけですが、それによる現実との齟齬を「バグ」だとして、つまり「バグ技」はそれを利用することです。バグ技があれば私たちは手の届かない地点に今この瞬間から辿り着けるかもしれません。この講義では一緒にバグを見つけてバグ技を編み出す作業ができたらと思っています。

アクターズ・ラボ

担当講師:兵藤公美

毎回多彩なゲスト講師を招いてその生き方や知見を解きほぐしながら共有していきます。ゲストには俳優、演出家、監督だけではなくプロデューサーや翻訳家なども予定。演じることだけではない、俳優としての世界の見え方を広げていきます。

<ゲスト講師>
菅原直樹(俳優・介護福祉士/「老いと演劇」OiBokkeShi主宰)、竹中香子(俳優)、松村翔子(劇作家・演出家/モメラス主宰)、他2名を予定。

フィクション・コースを知る

担当講師:竹内里紗

フィクション・コース生の作品を上映し、監督や出演者を招いて作品について話し合うという講義です。映画制作者と俳優はオファーする/されるという関係から始まることも多いですが、両コースが併設されている映画美学校の特色を生かして、まずは作品を観て話す場を作ることでお互いの存在を知り合うところからはじめてみるということをしてみたいと思っています。作品作りをする人たちとコースを越えて出会うことで、お互いに刺激を得ながら学びを深めていく仲間と出会うきっかけになることを目指します。

修了公演

担当講師:島村和秀

半年間研鑽を積んだ集大成として、新進気鋭の演出家を招いての修了公演を行います。「作れる俳優になる」ため、演じるだけではなく、自分たちで場を作り、人に届けるまでの全てを行います。

v2_アー写_島村新型コロナウイルスによって「映画・演劇は不要不急か?」という議論が、鑑賞者だけでなく創作者の間でも行われています。

これから演技を通して創作を学ぼうと考える皆さんにとって、心配の真ん中にある論争だと思います。

創作の場では、誰の/どんな表現も無条件に敬意をもって受け入れられます。ゆえに、自分を正解/不正解の呪縛から解き放つことができます。それが現代の創作です。

分断が露見した今日、社会から求められる能力は「抑圧に負けない自由な創造力」と「他者を受け入れる共生力」だと思いませんか?

映画や演劇が不要不急かどうかは置いといて、創作で培われる能力は「必要緊急」。学びは希望なのです。

さあ、作りませんか。