ことばの学校第3期演習科は両クラスともに申し込みを締め切りました。(2024/1/24 映画美学校事務局)

言語表現コース ことばの学校 第3期演習科 2024年1月開講!

【主任講師】佐々木敦(思考家)

【演習科専任講師<創作クラス>】
大崎清夏(詩人)、小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク(舞台作家)、九龍ジョー(ライター・編集者)、滝口悠生(小説家)

【演習科専任講師<批評クラス>】
倉本さおり(書評家)、豊崎由美(書評家)、矢野利裕(批評家、DJ)、山本浩貴(小説家・デザイナー・批評家・編集者・いぬのせなか座主宰)

【演習科ゲスト講師】
朝吹真理子(作家)、川上未映子(小説家)、保坂和志(小説家)、吉増剛造(詩人)

ことばの学校第3期演習科 募集要綱

 映画美学校言語表現コース「ことばの学校」演習科は第3期より2クラスに分けることになりました。「創作クラス」と「批評クラス」です。

 すでにやや昔話になりますが、私はかつて長らく「批評の学校」をやっていました。少しずつかたちを変えながら十年以上も続けたあと、そろそろ別のことをやってみたくなり、自分の考える「批評」を教えるスクールは一区切りにしたわけですが、それから数年を経て、より広い視野で「言語表現」を学ぶスクールとして、この「ことばの学校」を立ち上げ、気づけばもう三期目になっていました。

 私を含めて総勢17名の講師が毎週毎週入れ替わり立ち替わり、その人ならではの「言語表現」観や「ことば」論を披露していく千本ノック的な基礎科に続く演習科は、基本的に実践編です。やはり私を入れて5名の専任講師が各自課題を出し、受講生は実際に「書くこと」を学んでいく。その合間に4人のゲストによるスペシャル講義が挟まる、というのが演習科のカリキュラムですが、第3期は「書くこと」を「創作」と「批評」に分けることで、よりフォーカスを絞ったコースにできないかと考えました。それは私にとっては、久しぶりに「批評の学校」を復活させることでもあります。

 思えば「ことばの学校」は最初から試行錯誤の連続、実験の繰り返しだったのですが、これもまたひとつの実験です。クラスが二つになることで、専任講師の人数も二倍に増えました。創作を、批評を学ぶこと、いや、学ぶことを始めること、学ぶことを学ぶことにかんして、ユニークかつベストな人選ができたと自負しています。

 第三期演習科のスペシャル講義は、二つのクラスの共同で行なわれます。ゲスト講師には、朝吹真理子さん、川上未映子さん、保坂和志さん、吉増剛造さんをお迎えします。また、この共同講義は、普段は直接接することのない「創作クラス」と「批評クラス」の受講生がお互いを知り合う機会にもなるのでは、と期待しています。 

 創作と批評、しかし実のところそれは、創作が「書くこと」、批評が「読むこと」というわけではありません。確かに入り口はそうだと思われているかもしれませんが、当たり前のことですが「書くこと」と「読むこと」は裏表であり(どちらが「表」でどちらが「裏」ということでもない)、創作にも批評の次元が存在しているし、批評にも創作の要素がある。だから二つのクラスは、あくまでも扉に過ぎない、とも言えます。書くためには読ま(読め)なければならないし、読むことは書くことに通じている。
 ことばの学校第3期演習科の二つのクラスに、多くの参加者が集うことを願っています。

映画美学校言語表現コース ことばの学校 主任講師 佐々木敦

 

ホップ・ステップ・サードイヤー!

 映画美学校言語表現コース「ことばの学校」は、設立当初は思ってもみなかったことだが、なんと3期目を迎えることになった。ありがたいことである。何ごとにつけコスパや費用対効果やインセンティヴばかりが求められる昨今、自分で言うのも何だが、こんな不思議な学校にいったいどれだけ人が来てくれるのか、なかば社会実験のような気持ちで始めたものだったが、蓋を開けてみると予想をはるかに超えて好評で、第1期第2期と、基礎科も演習科も盛況をもって終えることが出来た。主任講師としては望外のよろこびである。
「自分のことば」を探し当てるためにこそ、まずは「他者(たち)のことば」の多種多様なありようを知る/学ぶことが重要なのだということ、書くことと読むこと、そして話すことは、ことばを用いた営み/試みという点で、分かち難く結びついているのだということ、ふだんから無意識にいくらでも使うことが出来ている(と思っている)ことばというものは、しかしひとたび意識してみると、日常性の皮膜を喰い破って、思いも寄らなかった謎と神秘を露わにすることがあるのだということ、自分自身が今も日々何度となく体験している「ことば」という「未知」との遭遇を、スクールという仕組みにおいてどうにかして共有可能に出来ないだろうか、、おおよそこんな欲望と野心とともに「ことばの学校」は船出した。その航海はまだまだ続く。ということで三年目である。
 「ことばの学校」3期目では、基礎科、演習科ともに、また新しい取り組みを考えてみた。まず、第2期では第1期の反応を踏まえて比較的「創作」に重心を傾けた講師陣の人選を行なったが、第3期では創作的な要素もじゅうぶんに押さえつつ、より広範な「ことば」との出会いを模索すべく、カリキュラムを設計した。あくまで「基礎科」なのだから、もちろん万全ということはあり得ないのだとしても、ことば=言語の多様性、多様であることの重要性を、まるで週ごとにジャンルがどんどん変わっていくスリリングな連続ドラマ(!)のように、受講者に体験してもらうことが肝要なのだと、三年前に「ことばの学校」を夢想した初心に戻って人選に取り組んでみた。第1期、第2期同様、第3期の講師ラインナップにも絶対の自信を持っている。
 そして基礎科の先に控える演習科では、思い切って「創作系」と「批評系」の二つのコースを新設することにした。「ことば」には両面(それ以外も)が存在するわけだが、ふとあたりを見回してみると、「創作」に比して「批評」のジャンルを超えた弱体化(と敢えて記す)は否定できない事実だと思われる。かつて長きにわたって「批評の学校」を主宰していた身としては、何かしら賦活のためのチャレンジをすべきだと考えた次第である。「創作系」も「批評系」も、どちらも「書くこと」を実践的に学んでいくわけだが、書くためには読まなくては、書けるためには読めなくてはならないという真理は大前提である。新任を含む各系の魅力的な専任講師陣の指導のもと、書くことと読むことをリズミカルに行き来しつつ階梯を昇っていくようなイメージを私は抱いている。また、両方の系を選ぶことも可能である。
 もちろんこれまでと同様、聴講生も募集する。「ことばの学校」は「言語表現」をめぐる現在、最高にして最強の「座学」を提供します。

 ぜひ、私たちと一緒に、めくるめく「ことば」の冒険に旅立ちましょう!

映画美学校言語表現コース ことばの学校 主任講師 佐々木敦

言語表現コース ことばの学校とは

・言語表現のさまざまなジャンルや形式に触れ、「自分が自分だからこそ書ける言葉」を発見し、獲得することを目指します。
・基礎科と演習科に分けて募集。基礎科は全16名の講師による日替わり講義(16回)と主任講師の佐々木敦による講義(4回)の全20回の講義となります。
・演習科は「創作クラス」「批評クラス」の二クラス制を導入。自身の希望に応じてお選びいただけます。両クラスとも4名の専任講師から課題講評を受けることができ、より実践的な講義となります。スペシャルゲストによる特別講義(「創作クラス」「批評クラス」共通)も予定しております。
・基礎科はオンラインで実施、演習科は対面とオンラインの併用で実施。遠方でも受講が可能です。
・座学のほか、基礎科は主任講師、演習科は主任講師と専任講師による課題講評を受けることができます(正規生のみ)。
・より気軽に参加ができる聴講制度を導入。自分の好きなタイミングで講義を閲覧することが可能です(基礎科のみ)。

<基礎科>(半年間)
2023年7月27日(木)開講
全20回/毎週木曜 19:30-22:30
オンラインにて実施
2023年6月24日(土)12:00より先着順、定員に達し次第締切

「正規受講生」と「聴講生」から選択可能
正規受講生:リアルタイムで講義を受けることができ、講師との質疑応答や、主任講師による課題講評を受けることが出来ます。また講義アーカイブが閲覧可能。
聴講生:安価で講義のアーカイブを閲覧。開講後でも申し込みが可能。
正規受講生:受講料: 77,000円(税込) 定員:90名
聴講生:受講料: 44,000円(税込) 定員:なし

<演習科>
【創作クラス】
2024年1月25日(木)開講
全20回/毎週木曜 19:30-22:30
通学・オンラインのハイブリット型で実施

【批評クラス】
2024年1月26日(金)開講
全20回/毎週金曜 19:30-22:30
通学・オンラインのハイブリット型で実施

1927__a290b2JhdG81__org文学ムック「ことばと」

Vol.1〜Vol.5、絶賛発売中!

編集長:佐々木敦
発行:書肆侃侃房
ISBN978-4-86385-455-0 C0495

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後援:書肆侃侃房