新しいエンターテインメントを目指す「現場」がここにある!

高橋洋(脚本家・映画監督/主任講師)

映画には必ず主人公がいる。
映画に限らない、物語を扱うすべてのメディアにこれは当てはまる。
主人公はたいがい、何か克服せねばならない「問題」を抱えている。
僕たちの日常生活だってそうだ。みんな何かしら問題を抱えている。
でも、他人が抱える問題に誰も興味を持とうとはしない。自分のことで精一杯だ。
ところが不思議なことに、映画を見始めると、赤の他人の主人公が抱える「問題」がまるで我がことのように感じられる。
そして「問題」がついに克服される瞬間を見届けたいと思う。
これがエンターテインメントの骨法なのである。
この学校はみなさんと一緒に新しい時代のエンターテインメントを開発することを目指している。
魅力的な「問題」を発見して欲しい。
そしてそれをいかに観客に届けるか、講師たちと探求する「映画作りの現場」を体験して欲しい。

 

初等科(木曜)夜クラス担当講師メッセージ

「さまざまな感情の揺らぎを、架空の登場人物に仮託して、映像作品の中に固着させる設計図を書くこと。これがシナリオライティングです。」

村井さだゆき(脚本家)

想像してみてください。10年後の自分を。
見回してみてください。今の自分を。
そこに1本の線を引いてみましょう。
あなたは、そこに一直線に進みたいと願うでしょう。
でも、ただ平坦な道を、真っ直ぐに進むだけではつまらないと思いませんか?
線の上に障害物を置いてみましょう。
それは人との衝突かも知れません。
突発的な事件かも知れません。
あなたはその度に葛藤し、たくさんの選択肢に迷いながら、前に進みます。
時には自力でそれを乗り越え、時には人に助けられながら。
10年後、この出発点を振り返ったとき、その道筋はとても豊かな歩みになっているでしょう。
まるで一本の映画のように。
今やってみたこと――実はこれがシナリオ作りの奥義なのです。
私たちは今も日々、泣き、笑い、歓び、怯え、楽しみ、怒り、ホッとしたり、哀しんだり、ただ呆然と立ち尽くしたりしながら生きています。さまざまな感情の揺らぎを、架空の登場人物に仮託して、映像作品の中に固着させる設計図を書くこと。これがシナリオライティングです。
あなたが10年後のあなたを目指して歩き出すなら、私たちはその最初のささやかな援助者になれるでしょう。

 

初等科日曜クラス担当講師メッセージ

港岳彦(脚本家)

今、シナリオは飽和状態である。

特に配信ドラマの登場は、シナリオのバリエーションを指数関数的に押し広げ、これまで安定のフォーマットとして流通してきた、古式ゆかしいドラマツルギーを陳腐化させてしまった。

現実世界もまた古い価値観が崩れ去り、新しい時代にフィットしたものの考え方や思想が現れつつある。

そんな現在に真っ向から拮抗できるシナリオとは何だろう。
この問いに今すぐ答えは出ない。早道はない。基礎を押さえるところからしか始まらない。

理論と実践を繰り返しながら、いかなる時代にも対応可能な技術と、長い物語を書き得る基礎体力を身につけていきたい。

 

高等科金曜夜クラス担当講師メッセージ

宇治田隆史(脚本家)

世の中には小説にしろマンガにしろ色んな物語があります。
好きな作品や作家、ジャンルなどそれぞれに好みがあるでしょう。

ところが自分が何にどう反応しているか意外とわからないものです。

起こった出来事や目についたスタイルに感動したように思いますが、
その感動を再現してみようとシナリオ(自主映画)の中で真似てもまったく上手くいかなかったり。
心が動かないというか。

面白かった、カッコよかった、感動した、はどうやって生まれるのでしょう。

いったいどうやって作られるのか。なんだか途方もない気もします。

でも確かにあるのです。
それを見にいってみませんか。

 

高等科日曜昼クラス担当講師メッセージ

金巻兼一(脚本家)

自分から生まれた物語や人間ドラマが映像になるのは、本当に楽しいものです。書くのは大変、でもその苦しみがあるからこそ、喜びはひとしおです。
脚本家にしか味わえない至上のカタルシスが、そこにはあります。

しかしながら、脚本は小説とは違います。
プロデューサーや監督、現場スタッフが読み、即座に理解できなくてはいけない特殊な文書です。思うがままに書けば良いというものではなく、脚本には定型と細かなルールやマナーがあります。どんなにドラマチックなおはなしを書いても、どんなに魅力的な台詞や会話を書いても、脚本の基本にのっとっていなければ現場では使えません。大工仕事にたとえれば、釘一本打つにしても、プロの大工と日曜大工とでは歴然とした技術差があります。自分だけの思い込み技術では通用しないのです。

それら、プロ現場では持っていて当たり前の脚本作法について、具体的な凡例解説や執筆実習でしっかりと教授していきます。また、私はアニメーションやオーディオドラマの経験も豊富なので、その特殊技術に関しても折々触れていきたいと思います。実戦型脚本術です。

本気になって頑張れば、あなたも至上のカタルシスを味わうことが出来るでしょう。
思い込みを捨て白紙になれる人、自分と向き合い戦える人、待っています。