フィクション・コース 初等科カリキュラム
カリキュラム前半では、撮影、照明、録音、編集など映画制作に必要な技術を幅広く体験的に習得していく「技術分野」と、短編課題などでシナリオの書き方や演出を体験的に学ぶ「演出・脚本分野」の2つの分野を同時に学んでいきます。 これら2つの分野の指導を第一線で活躍する講師陣から受け、時には受講生間で議論を行うことにより、演出力・脚本力・技術力が身につけられるようになっています。カリキュラムの後半では、希望者一人一人が、同じ初等科生とともに、15分の短編を制作します。完成作品は上映会を行い、優れた作品は劇場で上映会を行います。
<演出・脚本分野>
●短編をつくる1
まずはひとり1本ずつ、5分の短編映画を作ります。チームの仲間と一緒に協力しあいながら、映画を作る楽しさを体験しましょう。
●シナリオを学ぶ
映画を「家」にたとえれば、シナリオはその設計図です。「短編をつくる」の経験とアドバイスをふまえ、シナリオの作り方を学びます。
●演出を考える
シナリオという文字で書かれた2次元の設計図を、3次元の「家」として立体化するのが演出です。脚本をどのように読み込み、どのように演出するのか、その考察と実践を深めます。
●総合実習
与えられた課題脚本を班に分かれて映画化します。そもそも映画制作は複数のキャスト・スタッフが持つさまざまな技術を、準備、撮影、仕上げの場で持ち寄り、それらを総合的にまとめていく作業です。監督一人が作るものではありません。本格的な共同作業によって、映画作りの現場を体験します。
●短編をつくる2
総合実習で得た知識と経験を、今度は自分の映画にフィードバックします。自分の作る映画の面白さを、どんどん磨いていきましょう。
●修了制作
9月から半年間で学んだ集大成として、ひとり1本、15分の映画を制作します。それまでに学んできた演出・シナリオ・技術の知識と経験を総動員する実践の場です。完成した作品は8月末に完成講評を行い、その中から選ばれた優秀な作品は、劇場にて上映を行います。
<技術分野>
●撮影基礎1・2・3~機材を知る・フレームを考える・撮り方を探る~
カメラの基礎的な機能を知り、カメラのフレーム(枠)の中と外を考える事で、何ができるのかを学びます。また自分で「ねらいを持って」撮るために、いろいろな撮り方を探ります。
●照明基礎1・2~光と影を発想する・光と影を創造する~
「撮影」とは、撮影対象に「光」が当たり光がカメラに反射することで映し出されます。「光」と「影」から映画を考えてみましょう。
●録音基礎1・2~映画の音を考える・機材を知る~
映画の重要な要素である音。基礎1・2では、映画の「音」を意識すること、そして、実習に向けての機材操作を学びます。
●撮影実習~スタッフを経験する~
撮影・照明・録音の基礎をふまえ、10人程度の班で撮影実習を行います。シーンごとにスタッフが移り変わる事で一通りのスタッフワークを経験します。各班にはアシスタントがつきます。
●編集を学ぶ
シナリオという設計図を演出で立体化・撮影で映像化した後は、編集という作業で映画を再構築します。この講義では編集の基本的な考え方を学びます。
●ポストプロダクション講義&実習
ポストプロダクションとは映画を撮影した後の作業のことです。編集から音の仕上げまでポストプロダクションの各工程を学んだ後は、撮影した素材を使い自分たちで実際に仕上げていきます。
<その他>
●美術論・サウンドデザイン(映画音楽を中心とした)
第一線で活躍するプロによる「美術論」「映画のサウンドデザイン(映画音楽を中心とした)」など現役のスタッフによる映画術が学べます。