9月24日(土)~10/14(金)にシネマヴェーラ渋谷にて開催される日本映画を牽引する若手映画監督の特集「日本映画の現在」にて映画美学校修了生監督作品が多数上映されます。

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特集「日本映画の現在」トークショーのお知らせ

特集「日本映画の現在」タイムスケジュール


【映画美学校修了生監督作品】

横浜聡子さん(フィクション・コース第6期高等科修了生/フィクション・コース講師)

『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』
ちえみちゃん2005年/50分/DVD
監督・脚本:横浜聡子/撮影:平野晋吾/美術:青山あゆみ
出演:鈴木由美子、森下法雄、工藤麻奈美、百田一枝、吉岡睦雄
歯科技工士のり子は思う、「青森の春は汚い」。自分より若い女を連れて出稼ぎ先の東京から帰ってきた父、そして東京の男と結婚するという幼なじみのちえみ…。のり子の視点から、閉塞した田舎に潜む暴力と東京への違和感を描いた映画美学校修了作品。横浜監督の才気がほとばしる衝撃のデビュー作。

『ジャーマン+雨』
ジャーマン+雨main1製作=アド・コネクト・ゾーン、横浜プロ/2006年/71分/カラー/ブルーレイ/©横浜プロ
監督・脚本:横浜聡子/撮影:平野晋吾、鎌苅洋一/美術:奥定正掌
出演:野嵜好美、藤岡涼音、ペーター・ハイマン、ひさうちみちお、本多龍徳、徳永優樹、田尻大典、飯島秀司
ゴリラ顔で傍若無人、常に我が道を行くよし子は、今日も歌手を目指して縦笛を吹きならす。異形のヒロインが乗り移ったかのような野嵜好美が暴走し、放火歴のあるドイツ人、くみ取り屋の変態オヤジなどはみ出し者たちが次々登場。誰も観たことのない世界を作り上げた横浜監督の才能に映画ファンもぶっとんだ、脅威の初長編!

『ウルトラミラクルラブストーリー』
『ウルトラミラクルラブストーリー』main製作=「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会/2009年/120分/カラー/35mm/©「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会
監督・脚本:横浜聡子/撮影:近藤龍人/美術:杉本亮/音楽:大友良英
出演:松山ケンイチ、麻生久美子、ノゾエ征爾、ARATA、齋藤咲良、竹谷円花、米田佑太、中沢青六、キタキマユ、野嵜好美、乗田夏子、宇野祥平、小野寺陸、藤田弓子、原田芳雄、渡辺美佐子
『ジャーマン+雨』で日本映画界を震撼させた横浜監督のメジャー・デビュー作は、真っ直ぐすぎるが故に狂気的な主人公、字幕なしではキツいディープな津軽弁、シュールすぎる展開で、松ケン×麻生久美子のラブストーリーを期待した観客の度肝を抜き、賛否両論の嵐を巻き起こした。田舎と都会、普通と異常、生と死の境界をぶち壊す、脱脳ミソ映画!?

『おばあちゃん女の子』
おばあちゃん女の子main1 のコピー製作=横浜プロ/2010年/31分/ブルーレイ/© 2010 横浜プロ/ブルーレイ
監督・脚本・編集:横浜聡子/撮影:鎌苅洋一
出演:野嵜好美、宇野祥平、佐藤美祐、横浜チネ子(声)
東京の小さなアパートで暮らす平凡な夫婦。妊娠初期の妻は、迷い猫を探す少女と街を練り歩き、自らのアイデンティティを探し求める。妻役を、『ジャーマン+雨』の野嵜好美が奇妙な存在感で演じる。その妻に振り回されながらも寄り添う夫役の宇野祥平も良い味をだしている。横浜聡子式夫婦愛の物語!?

『真夜中からとびうつれ』

横浜聡子監督『真夜中からとびうつれ』main1製作=リトルモア/2011年/13分/カラー/ブルーレイ/© 2011 リトルモア
監督・脚本:横浜聡子/撮影:平野晋吾/美術:BAL
出演:多部未華子、宇野祥平、鈴木晋介、戌井昭人、渡辺謙作、鈴木卓爾、鈴木優真、鈴木瑠華
映画が見えるらしい箱を持った男が現れ…。鐘を打ち鳴らす男、光の灯る箱に群がる人々、穴をのぞく目、青いワンピースの少女は映画を駆け抜ける。“映画”が生まれる瞬間を独自の感性で描いた本作は、季刊雑誌「真夜中」の映画特集の連動企画としてWEBで期間限定公開され、大きな話題を呼んだ。

『りんごのうかの少女』
『りんごのうかの少女』main製作=弘前市、RINGO MUSIC/2013年/42分/©2013弘前市/ブルーレイ
監督・脚本:横浜聡子/撮影:平野晋吾/美術:豊川茅
出演:とき(りんご娘)、永瀬正敏、工藤夕貴、永澤一哉、黒瀧颯一郎、佐々木(アルプスおとめ)、秋本博子、ギャレス・バーンズ
りんご農園を営む三上一家。両親に反発して家出を繰り返す14歳のりん子が家へ戻ると…。青森県出身の横浜監督が、オール津軽ロケ&オール津軽弁で鮮烈に描く、少女の思春期と壊れかけた家族のものがたり。ロンドン・レインダンス映画祭の最優秀作品賞・短編部門にノミネートされ、『真夜中からとびうつれ』と『おばあちゃん女の子』と共に特集上映された。

『俳優 亀岡拓次』
『俳優 亀岡拓次』サブ1製作=『俳優 亀岡拓次』製作委員会/2016年/123分/35mm/©2016『俳優 亀岡拓次』製作委員会
監督:横浜聡子/原作:戌井昭人/音楽:大友良英
出演:安田顕 麻生久美子 宇野祥平 新井浩文 染谷将太 浅香航大 杉田かおる 工藤夕貴、三田佳子 山﨑努
Vシネではチンピラ、時代劇では泥棒、どんな役にも染まってしまう脇役俳優・亀岡拓次、37歳独身。現場と居酒屋を行き来するカメタクのユルーイ日常をユーモラスかつシュールに描く傑作コメディ。劇中の「DONGRIMANCHO(ドングリマンチョ)」といった架空韓国映画やとぼけた業界トーク、カメタクに胸を揉まれる三田佳子に、思わず「ウフフ」と笑いが漏れること必至。

 

富田克也さん(フィクション・コース第1期初等科修了生)

『雲の上』
2003_雲の上制作=空族/2003年/115分/カラー/デジタル(BDorDVD)/©kuzoku/インターナショナル再編集版
監督・脚本・編集:富田克也/共同脚本・撮影:高野貴子/共同脚本:井川拓/助監督:西川朝子/録音:吉森展土/美術・小道具:川口明子
出演者:西村正秀、鷹野毅、荒木海香、相澤虎之助、古屋暁美
蛇の伝説を持つ「紅雲院」の息子・チケンと幼馴染のチンピラ・シラスが、シャブを受け取りに東京に出かけ…。トランクの中で泣き叫ぶシラスの声、カーラジオから流れる薬師丸ひろ子、すれ違うチケンのバイクのエンジン音が混然となって響き始める終盤のシーンにはノックアウト必至。8ミリ撮影によるザラついた画面と録音ノイズが生成するライブ感が素晴らしい、富田克也監督入魂の初長編。

『国道20号線』
2006_国道20号線制作・配給:空族/2007年/77分/カラー/デジタル(BDorDVD)/スタンダード/©kuzoku
監督・脚本・編集:富田克也/共同脚本:相澤虎之助/撮影:高野貴子/録音:石原寛郎/美術:川口明子/サウンドミキシング:山崎巌/スチール:堀田真由子
出演:伊藤仁、りみ、鷹野毅、村田進二、西村正秀、Shalini Tewari、田中哲、西本和紗、木村絢香、平沢絵里子、古屋暁美、木村兆栄、七里圭、今村総長、柳田祐記
パチンコとシンナーの日々をおくるヒサシに、暴走族時代の仲間の小澤がある話を持ちかけ…。地方都市を走る国道。両脇を埋めるカラオケ、パチンコ、消費者金融のATM、ドンキ・・・。グローバリゼーションの中で翻弄される地方都市の現実と現代のロードサイドを徹底的に描き切った傑作。

『FURUSATO2009』
2010_FURUSATO2009_012010年/48分/デジタル(DVD)/©kuzoku
撮影・録音:富田克也、相澤虎之助/構成・編集:高野貴子/整音:山崎巌
出演:鷹野毅、伊藤仁、山梨県在住の方々
甲府の街周辺を取材した映像を編集して作られたドキュメンタリーであり、『サウダーヂ』のための長い予告編。工事現場の音、ラップ、風、空…。「ミュージカル映画のようだ」(boid 樋口泰人)と評されたこの作品は、『サウダーヂ』に共鳴する伴奏曲である。

『サウダーヂ』
2011_サウダーヂ_01制作:空族、『サウダーヂ』製作委員会/2011年/167分/35㎜/©kuzoku
監督・脚本・編集:富田克也/共同脚本:相澤虎之助/撮影・編集:高野貴子/録音・音響効果:山﨑厳/助監督:河上健太郎
出演:鷹野毅、伊藤仁、田我流、ディーチャイ・パウイーナ、尾﨑愛、工藤千枝、デニス・オリヴェイラ・デ・ハマツ、イエダ・デ・アルメイダ・ハマツ
不況にあえぐ山梨県甲府市。HIPHOPグループのクルー•猛は派遣で土方として働き始めるが…。シャッター通り、ゴーストタウン、土方、移民、HIPHOP。この街で一体何が起きている!? 地方都市のリアルを身も蓋もなく描き、国内外に熱狂を巻き起こした本作は、現在を生きる全ての人必見の傑作であり、日本映画史上の事件である。

 

三宅唱さん(フィクション・コース第10期初等科修了生/フィクション・コース講師)

『やくたたず』
yakutatazu_main2010年/76分/ブルーレイ/©MIYAKE Sho/白黒
監督・脚本・撮影・編集:三宅唱/助監督:古田晃司/美術:久保田誠/制作:嶺隼樹
出演:柴田貴哉、玉井英棋、山段智昭、片方一予、櫛野剛一、足立智充、南利雄
高校卒業を控えたテツオたち3人は、先輩が勤める地元の防犯警備会社でバイトを始めるが…。一面雪に覆われた北海道を舞台に、ボンクラ高校生の日常と仕事、そして彼らが巻き込まれる思わぬ事件を、ザラついたモノクロームで捉えた青春群像。村上淳、加瀬亮などの俳優に絶賛された、三宅唱の恐るべき初長編。この映画から傑作『Playback』が生まれた。

『Playback』
playback_main2012年/113分/35mm/©2012 Decade,Pigdom/白黒
監督・脚本・編集:三宅唱/企画・プロデュース:佐伯真吾、松井宏、三宅唱/撮影:四宮秀俊/主題歌:“オールドタイム”大橋トリオ
出演:村上淳 渋川清彦 三浦誠己 河井青葉 山本浩司 テイ龍進 汐見ゆかり 小林ユウキチ 渡辺真起子 菅田俊 40歳を前にして人生下り坂の映画俳優ハジ。そんなとき、昔の同級生から「今日、結婚式だろ」と声をかけられ…。過去と現代、夢と現実が入り混じり、繰り返される時間の中で、ハジは何度でも生き直す…。美しいモノクローム映像と緻密な構図、そしてスケボーに乗る村上淳と三宅監督のセッションが作り出す奇跡の瞬間。世界を驚かせた、スタイリッシュにしてノスタルジックな傑作。

『THE COCKPIT』
THECOCKPIT_main2014年/64分/ブルーレイ/©Aichi Arts Center, MIYAKE Sho/カラー 監督:三宅唱/撮影:鈴木淳哉、三宅唱/企画:愛知芸術文化センター
出演:OMSB(SIMI LAB)、Bim(THE OTOGIBANASHI’S)、Hi’Spec(SIMI LAB)、VaVa(CDS)、Heiyuu(CDS)
「SIMI LAB」のOMSBと、「THE OTOGIBANASHI’S」のBim。クルーは違えど互いをリスペクトしあうふたりに、三宅唱が曲の共同制作を依頼。曲が完成するまでの二日間を記録したドキュメンタリー。小さい部屋の中のほとんど動かないカメラが、何気ないやり取りと遊びから、ヒップホップが生まれる奇跡の瞬間を捉える。彼らが曲を生み出す小さな部屋が、広い世界へと繋がるコクピットなのだ。

『無言日記2014』
mugon_2014_main2014年/66分/ブルーレイ/©boid, Pigdom/カラー 「無言日記2015」2015年/66分/ブルーレイ/©boid, Pigdom/カラー
監督・撮影:三宅唱 企画:樋口泰人
iPhoneで撮りためた「日常」を毎月数分にパッケージし、boidマガジンに連載した『無言日記』を、2014年版と2015年版にまとめた劇場公開用ヴァージョン。セリフもキャプションも音楽もない映像の断片のなかに、世界に横溢する豊かな瞬間が立ち現れる。観る者はその映像の中で彷徨いながら、三宅唱が世界を切り取る眼となるだろう。

『1999年』
1999年/3分/ブルーレイ/©MIYAKE Sho/カラー
監督・出演:三宅唱
中学3年生の三宅唱が撮った驚きの初短編。

新作短編『タイトル未定』
miyake_short20162016年/25分(予定)/HDブルーレイ/©Pigdom/カラー
監督:三宅唱/撮影:四宮秀俊/協力: SUPER TRAMP 挿入歌:優河「青の国」
出演:石橋静河
幼少時よりバレエ、ダンスを続けてきた女優の石橋静河と、三宅唱&撮影の四宮秀俊によるコラボレーションから生まれた短編。日常にあるさまざまなからだの動きとダンスの運動との行き来によって、映画における魅力的なからだのあり方を一緒に探ってゆく、そんなコラボレーション。今回が初上映となる。

MV4作品
miyake_PV0117分/ブルーレイ
「ActNBaby feat. jjj」© SUMMIT, Inc. / P-VINE
Produced by OMSB Lyrics by OMSB, jjj

「BUG feat. ABC」© SUMMIT, Inc.
Produced by Hi’Spec Lyrics by VOLO, piz?

「Phantom Band」© SUMMIT, Inc.
Produced by Hi’Spec

「Goin Back To Zama City feat. OMSB」© SUMMIT, Inc.
Produced by Hi’Spec Lyrics by OMS

『THE COCKPIT』出演のOMSBとHi’Specの依頼によってつくられたミュージック・ヴィデオ4本。

 

深田晃司さん(フィクション・コース第3期高等科修了生/アクターズ・コース講師)

「ざくろ屋敷 バルザック『人間喜劇』より」
ざくろ屋敷2006年/日本/HD/48分/© ZAKURO PROJECT/TOEI ANIMATION CO.,LTD.
監督・脚本:深田晃司/美術・絵画:深澤研/原作:オノレ・ド・バルザック「ざくろ屋敷」/音楽:上尾直毅/文芸監修:鹿島茂
声の出演:志賀廣太郎、ひらたよーこ、堀夏子、山口ゆかり
フランスの田舎町に現れた美しい夫人とふたりの少年の密やかな生活を描いたバルザックの傑作短編を、深澤研による70枚近いテンペラ画と、古楽器による美しい音楽で綴った静止画アニメーション作品。「映画的鼓動が伝わる珠玉の詩画集」と絶賛した山田宏一氏をはじめ、多くの映画評論家や仏文学者からの賞賛を集めた。その評判は口コミで海を越え、本国フランスのバルザック研究者たちからも作品論が発表されるなど、話題を呼んだ。若干26歳の深田監督による傑作。

『いなべ』
いなべmain1制作=よしもとクリエイティブ・エージェンシー/製作=吉本興業株式会社2013年/38分/ブルーレイ/©2013「いなべ」製作委員会
監督・脚本・編集:深田晃司/撮影:根岸憲一/録音:宮崎祐介/音楽:小野川浩幸
出演:松田洋昌(ハイキングウォーキング) /倉田あみ/伊藤優衣/井上みなみ /望月皇希/康光岐/鈴木Q太郎(ハイキングウォーキング) /西田幸治 (笑い飯) /哲夫 (笑い飯) /桂三輝/ほんこん 養豚場で働く智広のもとに、赤ちゃんを連れて十七年振りに帰ってきた姉の直子。二人は幼いころの記憶をたどり、二人で埋めた「何か」を掘りに行くのだが…。沖縄国際映画祭の地域発信映画の一作であり、三重県いなべ市の豊かな自然や鉄道、地元の人々が登場する。「死を想う」、「人の孤独」という普遍的なテーマを軸にすえた本作は、地域映画の枠に止まらない卓越した完成度と物語性で高い評価を受けた。

 

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