第2期ドキュメンタリー・コース基礎科作品
2002年(約25分)DV

監督:奧定正掌
撮影・録音:浜中淳一 石川正幸 原尚子 西晶子

【監督のことば】当初、「映画ができるまで」として立ち上がったこの企画は、撮影を続けるうちに、その対象としての「映画づくり」へと私たちが向ける視線が、そのまま、今つくられつつあるこの私たちの「映画」へ向けられる視線となって跳ね返ってきた。「ドキュメンタリー」は映像を以ってあるべき現実を伝えるものとされる……。しかし伝えるべき「現実」とは何なのか。映画が、撮影において現実を裁断decoupageし、編集でそれを裁ち直すrecoupementものであるとするならば、そこで生まれる「現実」とはいったい何だろう。

「……真実は、手探りと裁ち直し[再吟味]とによって処置せねばならぬ、つまりいくつかの異なる方法を同時に推敲せねばならぬ、ということである。その方法のそれぞれは可能性、あるいは蓋然性にしか導かないだろうが、それらが干渉し合って……」(アンリ・ベルクソン)