第2期ドキュメンタリー・コース基礎科作品
2002年(約25分)DV

監督:野崎有紀
撮影:秋谷謙太郎 新里勝也 録音:高久裕美 平田淳

【監督・スタッフからのことば】私は眼鏡をかければ何でも見える。今回、この作品を撮り始めてから私は病院に何度も行った。何だか急に目が見えなくなるのではないかという恐怖に襲われたのだ。視力、眼圧などを検査してもらい、「正常です」と言われ安心して帰宅する。でも撮影に出掛け、全盲の被写体の人たちや写真家の塚田さんに目を向ければ向けるほどものが見えなくなっていく感覚に襲われていった。私は一体何を見ているんだろう……。(野崎)
「作品の中に出てくる写真に負けている」。インタビュー課題が終わった時、講師にそう言われた。「目の見えない人が写真を見る、とはどういう事なのかを撮って」。撮影中、女王の命令は絶対である。だが果たして、監督の望んだものはカメラにちゃんと写ったのだろうか? 「面白いカットが撮れていて、いいと思った」。被写体になってくれた写真家にそう言われた時、父親に認められたような気がして無邪気に嬉しくなった。(カメラ・かつや)