第2期ドキュメンタリー・コース基礎科作品
2002年(約25分)DV

監督:大谷友花
撮影:大谷友花 岡田隆司 武田充弘 編集:大谷友花 南澤義見

【監督のことば】私は人形に特に関心があった訳でも人形愛好家でもない。むしろその逆だ。無関心でありたかったし、怖かった。奴らが澄ました顔で、確実にこちらを見ている様が落ち着かなかったのだ。だから、その製作過程を見てやろうと思った。だが、そこには、伝統的な型や職人の思いとは関係なく、勝手に出来上がっていく人形の顔があった。まるで独立した生き物の様に、カメラの目の前で幾度も脱皮を繰り返しその表情を変えていった。その様は、怖いというよりも小気味良くさえあった。しかし、完成した雛人形を見た時、それは完璧な形をしてはいたが、何かが足りないと感じた。気がついたのだ。まだ、奴らは完成していないと。そこにあるのはヒトガタという空っぽの器であり、「カタ(仮)」でしかない。彼らが「チ(智・血・霊)」を手に入れた時、初めて人形という「カタチ」になるのだということに。私は、「カタチ」になった人形を見届けるべくして、一人岩手へ向かったのだ。