アクターズ・コース カリキュラム
演技レッスン
近藤強
「あるシーンを演じるのにはどんな作業が必要なのか?を考えます。」
前半は様々なゲームをやりながら、頭と体をほぐし て、後半は台詞を使って遊びます。俳優は紙に書かれたシーンをどう3次元に立ち上げて行くのか、演技に方法論は有効なのか、演技に基礎があるとしたら何な のか、そんなことを一緒に考えながら実際に1つのシーンを創ってみます。して、そこから浮かび上がる可能性を探る予定です。
第1回 | 演技するってどういうこと? |
第2回 | 時間と空間について |
第3回 | 台本を読んでみる |
第4回 | 台本を読んでみる |
第5回 | アクションvsリアクション |
第6回 | 演技に方法論はあるのか? |
第7回 | 台詞を使って会話する |
第8回 | 台詞を使って動く |
第9回 | シーンワーク |
第10回 | シーンワーク/まとめ |
兵藤公美
「俳優が魅力的にみえる瞬間とはどういう姿なのでしょうか」
目に見える特徴を表現すること、別人に見えるよう工夫することでしょうか?
俳優はどのように考えて、演技をすればいいのでしょうか。
演劇の仕組みを日常生活に当てはめながら俳優の作業を探っていきましょう。
第1回 | 見る、見られる |
第2回 | ま 間 |
第3回 | 人間の魅力? その1 |
第4回 | 人間の魅力? その2 |
第5回 | 感覚の記憶 |
第6回 | イメージ |
第7回 | 人物 |
第8回 | 状況と関係と目的1 |
第9回 | 状況と関係と目的2 |
第10回 | 状況と関係と目的3/まとめ |
松井周
演技に関して何かを学ぶというよりも、まずは身の回りを感じましょう。「環境」を発見すると言い換えてもいいです。五感というレーダーを通して「環境」を発 見することは、同時に「自分」の輪郭をなぞる作業でもあります。壁を触ることは壁と手の境界を味わう経験です。次に、「言葉」というツールの使用法につい て考えます。「言葉」は人間が発明した人工物であり、人間だけの約束事です。その小さな約束事と五感を通して「環境」を把握し、制御しようという試みの中 で生きているわけです。小難しい話じゃありません。当たり前のことを確かめてから、演技のことを考えたいのです。
第1回 | イントロダクション(環境・身体・時間について) |
第2回 | 境界を探る(環境と身体の境界や道具の使用による身体の延長について) |
第3回 | 境界線を引く(内側と外側の設定をして、世界を名付けてみる) |
第4回 | 言葉を使う(意味のない言葉を使って思いを伝える) |
第5回 | 言葉を使う2(台本を使って台詞を言ってみる) |
第6回 | 言葉を使う3(台本に合わせて環境を設定/変更し、台詞を言ってみる) |
第7回 | 環境創作1(映画美学校の環境に合わせて設定を創作し、台詞を創作し、動いてみる) |
第8回 | 環境創作2(映画美学校の環境に合わせて設定を創作し、台詞を創作し、動いてみる) |
第9回 | 環境創作3(映画美学校の環境に合わせて設定を創作し、台詞を創作し、動いてみる) |
第10回 | 環境創作発表会 |
山内健司
「他者のほうへ」
俳優は他者の言葉をしゃべる仕事だと思います。この世界のほぼ全ての言 葉は自分の言葉ではない。他者の言葉を自分の言葉と思い込むことが俳優の仕事とはどうしても思えません。自分自身の言葉とどのくらい距離があるのか、なぜ かくも距離があるのか、ここへの関心、興味は、すなわち他者への関心、興味です。これは尽きることなく楽しいことですが、これを仕事として、新鮮に喚起し 続けることは生半可なことではないとも感じます。それが俳優の技術の根っこだと思っています。
第1回 | しゃべり言葉を調べる-1「自分の言葉を調べる」 |
第2回 | しゃべり言葉を調べる-2「インタビュアーとインタビュイーは対等である」 |
第3回 | 台詞は書かれたしゃべり言葉-1「遠い言葉、近い言葉」「世代・方言・外国語」 |
第4回 | 台詞は書かれたしゃべり言葉-2「言葉の意味」「わかった気にならない」 |
第5回 | 台詞は書かれたしゃべり言葉-3「出来事はすでに台本のなかに」「掘り起こし」 |
第6回 | 台詞は書かれたしゃべり言葉-4「欲望=アーティストの領域」 |
第7回 | しゃべり言葉を調べる-3「他人の言葉を調べる」 |
第8回 | しゃべり言葉を調べる-4「フィールドワーク」 |
第9回 | しゃべり言葉を調べる-5「作品化」 |
第10回 | しゃべり言葉を調べる-6「発表」 |
短篇映画ゼミ
古澤健
「身体とカメラをペンにして、肉体的に映画を発想する」
「演者であり制作者であるという作業を共有してみたい」 実際に、みなさんと一緒に短編映画を制作します。企画の発想から出発して、撮影や編集を経て、一本の映画が完成するまでを経験することで、映画作りの中で俳優がどのような創造力を必要とされるのかを探っていきます。また、演じる瞬間に感じる充実感とは異なる、映像のよそよそしさを感じとり、そこから映画の演技の可能性を考えてみます。
自主映画レッスン
深田晃司
「まずはカメラ片手に映画と遊び、映画を発見する」
映画作りは、いつからこうも窮屈になってしまったのだろう。プロデューサーが企画を立てて、監督が撮って、俳優がでる。それはきっと、撮影所がフル回転で映画を量産していた時代に求められた役割分担なのだろうけど、幸か不幸かそんな時代は、多分もう永遠に終わってしまった。その代わり、今は安くて手軽なビデオカメラがある。俳優としての職業意識を育むのに先んじて、まずはカメラ片手に映画と遊び、映画を発見する「自主映画レッスン」、映画と主体的に関わること、それは、俳優という仕事を長く楽しく続けていくために有効なスキルでもあります。
演劇創作ゼミ
平田オリザ
「全員が台本作り、演出、出演に関わり、戯曲の基本的な構造の理解を深めます」
「全員が台本作り、演出、出演に関わり、戯曲の基本的な構造の理解を深めます」 アクターズ・コース生が他コースの受講生と、5~8名程のグループに分かれ、約1ヶ月かけて、15分ほどの一幕もの(場面や時間の移動がない)の演劇作品を作ります。全員が、台本作り、演出、出演にかかわり、戯曲の基本的な構造の理解を深めながら、演劇創作を体験します。この創作の経験者より、過去3年連続して岸田國士戯曲賞受賞者を輩出する、確立されたプログラムです。