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プロフィール

脚本コース第1期高等科修了生
1978年生、大阪出身。2000年早稲田大学第一文学部卒業

コメント

もともと映画が好きでしたが、社会人になってからは徐々に映画から離れていました。そもそも映画より本が好きだと思っていたので、出版の仕事を選んだのもあります。3、4年前からドラマを観始め、自然に脚本に興味を持ったのですが、観始めていくうちに、やはり映画も面白いと思い、シナリオの学校や、ワークショップに通ったりしていましたが、もっと勉強したいと思うようになっていて。たまたま友人が映画美学校の音楽講座に通っていて(現在神保町の美学校に移籍)、面白いというのを言っているのを思い出してHPを見たら、丁度脚本コースの募集があったため応募しました。現役で活躍している方が講師だというのもとても魅力的でした。

村井さだゆきさんのクラスを受講していたのですが、村井さんは脚本へのアプローチの仕方がとてもアカデミック。特に「モチーフとテーマが絡むといいドラマだ」という考え方がためになりました。
受講生の年齢層が幅広いというのもとても魅力的でした。同じクラスに20歳の子がいたのですが、話したときと書いて来るものが全く違う印象なのがとても面白かったです。入学する前は、映画に詳しくないと通えないのかな、映画のことを語れないとバカにされるのかなと思っていたのですが、そんなことは全くなくて、逆に自分が好きなもの、嫌いなものを自由に言っていい環境がある学校だなと思いました。

高等科前期で書いたシナリオ(「イヌミチ」)が映像化作品に選ばれて、監督される万田邦敏さん、脚本コース主任講師の高橋洋さんとホン直し(※)を行ったのですが、提出している時点では自分の中で完結していたシナリオについて、意外なところから意外な意見をおっしゃってくれて、とても刺激的でした。また、シーンやセリフなどがどんどんカットされていく様を見て、映像で表現する前段階で、言葉で説明しすぎているのだなと気付かされました。
撮影現場もお邪魔したのですが、生身の人間が言うとセリフも印象が全く変わると思ったし、自分一人で書き始めたものが、いろいろな人の手によって広がっていくのがとても楽しかったです。自分の書いたシナリオが映像化されるのが初めてなので、いろいろな講師の方や受講生が関わってくださってとてもありがたいなとしみじみ感じています。完成がとても楽しみです。

2年間、とても充実していました。自分のやりたいこと、自分がどんなことに興味を持っているのかが具体化され、整理された気がしています。将来はプロの脚本家、仕事としてやっていけたらと思っています。

※ホン直し
決定稿から撮影に向けてシナリオを直していくこと

「イヌミチ」
脚本コース第1期高等科前期に提出された60分シナリオ課題で映像化作品として選出。万田邦敏監督がメガホンを取り、フィクション・コース第15期高等科生をスタッフに参加。2013年夏に完成予定。