Miyazaki

プロフィール

宮崎大祐(Miyazaki Daisuke)
映画美学校フィクション・コース第10期高等科在学中に筒井武文監督作『孤独な惑星』の脚本を執筆し、脚本家デビュー。卒業後はフリーの助監督・脚本家として活動。2012年に初監督作『夜が終わる場所』をユーロスペースなどで公開。2018年に『大和(カリフォルニア)』と『5TO9』、2019年に『TOURISM』を全国劇場公開した。最新作のデジタル・スリラー『VIDEOPHOBIA』は今秋全国公開。
twitter ID: @gener80

映画美学校に入学したきっかけ

当時憧れていた映画監督の大半が映画美学校で講師をされていたからです。

映画美学校で印象に残っている出来事

筒井武文監督のフィクション高等科コラボ企画『孤独な惑星』に参加させていただいたのですが、企画書から脚本起こし、キャスティングなどの撮影準備、そして撮影、仕上げ、宣伝配給、公開、販売までと映画制作の流れをひと通り体験できたので、自分の制作のプロセスが立体的に想像できるようになりました。

入学時に配られたパンフレットに書かれていた、黒沢清監督によるこんなメッセージも強烈に覚えています。
「我々は最強のインディペンデント映画作家の養成を目指す」
誰もが均質化していくこの世界で、いかにして唯一無二で「インディペンデント」な「存在」になりうるのか。
氾濫する、無数の「映像」ではない、「映画」なるものをどこまで追求できるのか。
卒業してからのおよそ15年間、毎日そんなことを自問自答しながら試行錯誤を繰り返しております。

現在/これからのこと

ここ数年は自分の映画を国内外で上映してはその合間に仕事と新たな映画制作をするというバタバタな生活だったのですが、最近はコロナの影響もありおとなしく自室で企画を立てたり脚本を書いたりしています。今後は新作『VIDEOPHOBIA』の公開がはじまるので、そのプロモーションをしながら去年今年と撮った作品たちの仕上げをして、もう少し大きな作品に向けた準備をはじめられたらと思います。

フィクション・コースの受講を検討している方々へのメッセージ

世の中の正しさが定まらないように、正しい映画というものは存在しません。しかし、ボクシングにワンツー、水泳にクロールがあるように、短い歴史しかもたない映画表現にも、「基本」と呼ぶことができるポイントは存在します。そこさえおさえれば、「映像」が格段に「映画」っぽくなる。フィクション度が高まる。自由になれる。基本をしっかりとおさえてこそ、もう一歩先の表現も可能になります。いきなり応用を振り回してそこそこうまくいったところで、立ち返る基本がないものに持続性はありません。そんな、誰もが立ち返ることができる「基本」のはずですが、不思議なことにこの「基本」を体系的に教えられる映画学校は映画美学校を除いて国内にはほとんど存在しないように思います。それが映画業界の片隅に十数年身を置いてみてのいつわりなき実感です。
ぼくは在学中、この基本を嫌というほど叩き込まれました。そして「もう基本には飽きた。応用をやってみよう」と試みてはまた基本に戻される、そんなスポ根映画のような日々を送っていました。しかし、ここで培った映画的基礎体力がなければ、映像コンテンツが溢れる現代において、「映画」などという古びた看板を掲げて活動しつづけることは難しかったでしょう。