16分3本勝負!
日本映画の未来をアップデートするであろう最強のインディペンデント映画を輩出する、映画美学校フィクション・コース第17期初等科修了制作上映会。

映画美学校フィクション・コース初等科で制作された作品を一挙上映。上映後には篠崎誠(映画監督)と三宅唱(映画監督)によるトークショーもあり!

■上映スケジュール
9月6日(土)会場:オーディトリウム渋谷
21:10- 上映『ブロッケンの妖怪』/『たちんぼ』/『姉と弟』
22:00- トーク:篠崎誠(映画監督『SHARING』『おかえり』)、三宅唱(映画監督『Playback』『やくたたず』)

■料金
入場無料
※開場時間が21:00となります。ご了承ください。

■上映作品

blocken『ブロッケンの妖怪』
監督・脚本|山口佳奈
2014/16分/HD
キャスト|Bekir Ocakli/山地健仁/飯塚三之介
制作|三橋翔太/江崎有紀、演出|高田美紀/山下正則、撮影|栗原亮/村田智海、照明|林田麻美/新田崇大、録音|染谷明美/平原由規
あらすじ
家族を祖国に残し日本へ出稼ぎにやって来たトルコ人ベルケは、ある日重病を抱える娘ルゼフの病状が悪化していることを知る。 娘の手術代を捻出するためベルケは大学相撲界の重鎮、血槍富士(ちやりふじ)を処分することに。 ベルケは前代未聞のトルコ人力士として大学相撲界に潜入し、血槍富士暗殺の機会を狙うが……。
コメント
まだ、まげも結えないヒヨッ子だと思っていた監督山口らスタッフ達。トルコ人が大学相撲を初めて……云々と言った、壮大な脚本を前にして、良くて7勝8敗 の出来だろうと思っていた。それがどうだ。がぶり四つの大相撲から見事な大逆転の上手投げを決めてみせたではないか! 映画と言う名の土俵で金星を上げた映画美学校の新弟子達。そう、君たちは映画界の『遠藤』だったのだ。目指せ横綱!!

*保坂大輔(フィクション・コース講師|脚本家『貞子3D2』『ラビット・ホラー』『戦慄迷宮』)

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『たちんぼ』
監督・脚本|横山翔一
2014/16分/HD
キャスト|岡野康弘/梅舟惟永/坂東俊晴/松原一郎/木村香代子
制作|竹内里紗/成瀬亨平、演出|大野歩/鈴木貴士/吉田卓矢、撮影|村上拓也/浜潟尚、照明|古牧芳文/千田良輔/葛野雅貴、録音|小林遼/佐藤麗雄

あらすじ
夜のサラリーマンの楽園―新橋。 そこで働くサンドイッチマンの男・磯野は向かいの中国マッサージ店で働く中国人の娘・ミカをいつも気にしていた。 ある時、店を飛び出したミカが店主に連れ戻される現場を目撃した磯野は、忘れていた過去を思い出す。 人間になりたい魚を交えて、男の恋の行方は思わぬ方向に展開し……。
コメント
この映画にはふたりの「たちんぼ」が登場する。ひとりは男で、ひとりは女だ。どちらも好きこのんでたちんぼをしているわけではない。といって、今の自分の 姿が借りのものであると、強い不満を抱いているわけではない。好きこのんでたちんぼをしているわけではないが、そもそも人生、好きこのむことばかりをでき るものじゃない。ふたりはそういった感じに諦めている。 というふうに、ふたりを観察している一匹の魚がいる。不思議なのは、魚の分際で人間を観察していることではなく、この魚が、ふたりが抱いているよう諦めを いっさい持っていないことだ。現代の若者が、ますますやる気(とはつまり、自分を変化させようとする意志)をなくしていくなかで、いつの間にか魚類が変身 の意志を鍛え上げていたのか? いや、そんな大げさな映画じゃありませんが、ラストは笑えます!

*万田邦敏(フィクション・コース講師|映画監督『イヌミチ』『接吻』『Unloved』)

 
ane_otooto『姉と弟』
監督・脚本|中村佳寛
2014/16分/HD
キャスト|田村幸大/竹之下桃/新井秀幸/藤井治香/葛野雅貴
制作|深山百合香/中村新、演出|落合彰吾/久間木達朗、撮影|坂田科申/永野誠斗/飯島明、照明|大谷祐人/木村清孝、録音|高橋聡人/小塚圭一、編集|坂田科申、整音|飯島明/木村清孝
あらすじ
父の借金のカタに連れ去られた姉カナはシバキ屋で働かされている。彼女を追って、都市にやって来た弟のトキ。女性向けポルノ映画監督の大学生ノリに俳優と して勧誘され、金の為に出演する。カナの居場所をノリから感じ取ったトキは彼に迫り、シバキ屋に踏み込むが……。溝口の『山椒大夫』をモチーフにした作 品。
コメント
暗黒世界に連れ去られた姉を探し求める弟の姉への思慕が、いつの間にか取り返しのつかないところまで行き着いてしまうそのすべての過程は、天が仕組んだと しかいいようのない運命のいたずらなのか、それとも弟自身の欲望が秘かに望み企んでいたことが実現されただけなのか・・・・・・おそらくその両方であっ て、どんなに平凡なものであってもすべての「人生」はそのように作られるのだと思う。だから少し荒唐無稽に見える部分があったとしても、それはこの映画が 「メロドラマ」だからなのではなく、現実の「人生」がそういうものだからなのだ。しかし、メロドラマの典型のような題材を使いながらこの映画は少しも泣け ない。観客を泣かそうとするようなちゃちな料簡はあの姉弟にも作者たちにもなかった。彼らは人生の仕組みそのものに体当たりを食らわせようとしたのだ。

*西山洋市(フィクション・コース講師|映画監督『kasanegafuti』『稲妻ルーシー』『ぬるぬる燗燗』)

 

 

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