cheese_240ドキュメンタリー・コース研究科講評作品
2004年(99分)DV

監督:加藤治代
出演:加藤直美 小林ふく 加藤佳彦 加藤晶子 加藤千晶 加藤鴻一 加藤舜人 加藤颯人 加藤治代

【解説】重病の母にキャメラを向けたパーソナルな記録のようにはじまるこのドキュメンタリーは、母の死を契機に、生と死をめぐる「思考」のためのメディアに変容する。

【監督のことば】激しい嘔吐、身体に出来た沢山のあざ、救急車、チューブから流れ出る緑色の胃液、肺が半分潰れた為に鳴る壊れたオカリナみたいな呼吸、口の中に生えた苔みたいな不思議な生き物、亡くなった直後の笑顔、亡骸をはこぶ病院の長い廊下、頭蓋骨の水色のしみ……。どれも生まれて初めて見るとても奇妙な光景でした。私はこの不思議で重い時間にカメラを持つ事なんて思いもつかなかった。私は母が本当に苦しんでいる時、悲しんでいる時、そして死んで行く時、何一つ撮ることができませんでした。

2005年山形国際ドキュメンタリー映画祭小川紳介賞、国際映画批評家連盟受賞
2005年ナント三大陸国際映画祭最優秀賞受賞