フィクション・コース第24期初等科前期は、オンライン講義での開講となります。オンラインだからといわゆる座学に甘んじることなく、映画美学校独自の実践中心の方針を貫いて、この状況下で“映画を学ぶ”“映画をつくる”とは何かを追求していきます。
映画が危機的状況にある今だからこそ、映画に何が出来るかをみなさんと共に探求していきたい。映画美学校はそのように考えています。開講にあたり、第24期初等科前期の講師を担当する万田邦敏さんにコメントをいただきました。

今年の5月から毎週数時間、映画美学校とは別の学校で、Zoomを使った映画のオンライン授業を続けています。座学だけでなく、実習の授業もオンラインで行っています。実習がオンラインで出来るだろうか、と当初は不安でしたが、案外出来ています。30人程度のクラスを4班に分けて、各班1本ずつ、いわゆるリモートで短編映画を撮らせ、それをGoogleドライブにアップして、みんなで見て、感想を言い合ったりするわけです。対面は絶対禁止の条件の中で、各班のメンバーは、ちゃんとグループで1本撮ってきます。準備から撮影まで、みんながオンラインで打合せを重ねてグループ制作をしているわけです。偉いなあ、と思ってしまいます(そういう課題を出して、彼らに撮らせているのは私なんですけどね)。

映画美学校でも、今期はオンラインを使った授業を続けています。先日、こちらでもリモートを条件にした短編映画課題の提出がありました。どの作品も、否応なく「今」を反映したものとなりました。それは今だから出来たもので、今じゃなければ出来ないものでした。そういうことって、やはりあるんだなあ、と思いました。というか、映画はこれまでも、さまざまな時代の制限のなかで作られてきたし、時代の制限こそが映画を鍛えてきたのだと思います。制限を越えんとする意志や発想が、おのずと映画と時代を対峙させ、映画を進化させてきたのだと思います。

私自身は、まだリモートで映画を撮っていません。撮れと言われたら、何を撮るか、どう撮るか、いろんなことを考えざるを得ません。24期初等科では、講師も受講生と同じ条件で、コロナ禍映画を撮ることにしましょうか。どっちが面白いか、勝負しましょうか。いや、別に勝負しなくてもいいんですけどね。

プロフィール

万田邦敏(Manda Kunitoshi)
1956年生まれ。黒沢清の『神田川淫乱戦争』に美術として、また『ドレミファ娘の血は騒ぐ』では共同脚本、助監督として参加。その後、関西テレビ・ドラマダスで『極楽ゾンビ』(90)『胎児教育』(91)を演出。96年、押井守総合監修による実写SF『宇宙貨物船レムナント6』で監督デビュー。2001年『UNLOVED』がカンヌ映画祭エキュメニック新人賞、レール・ドール賞をダブル受賞。04年に『The Tunnel』(脚本=井川耕一郎)がカンヌ映画祭監督週間に招待された。他の監督作に『ありがとう』(06)、『接吻』(07)、『面影』(10)、『シンクロナイザー』(16)。自主製作作品としてナンセンスコメディ『夫婦刑事』シリーズなど。映画美学校では、コラボレーション作品として、『夜の足跡』(00/シネマ GOラウンドの一本)、『う・み・め』(04)、『×4』(08)、『イヌミチ』(13)、『波濤』(17)を監督している。

フィクション・コース第24期初等科前期 9/9(水)開講!

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