IMG_6624常間地裕さん
(フィクション・コース第21期初等科生)

常間地さんは現役の大学生で、大学に通いながらの受講でした。俳優として映画やドラマなどへの出演歴はあるけれども、映画美学校に入るまでは、映画はこれまで作ったことがなかったとのこと。やっていることは大胆な感じがしますが、おっとりした口調で語ってくれました。

映画美学校に入ったきっかけ

ーー映画美学校に入ったきっかけは?

ここに入る前は演じる側の方をやっていて……、今も事務所に入ってやってもいるんですけど、
大学も演劇系の学科で、少しでも演技のプラスになればいいなと最初は思ってて。
作る方にも興味があったんですけど、最初はその気持ち(少しでも演技のプラスになるように)がすごい強かったです。

ーー演劇はいつから始めたんですか。

高校生の時からで、今4年目くらいですね。
映画とか元から見るのが好きで、でもなんか、見ただけじゃなくて、そっちの側にいたいな、と思って。
目立ちたいとかではなくて、前に出るのも嫌いなタイプだったんですけど、なぜかこの世界に自ら飛び込んだという感じですね。周りにもびっくりされました。親とか特に……。

大学に通いながら映画美学校へ

ーー学校に通いながらだと大変でしたか。

大変な時期もありました。でもやっぱりこっち(映画美学校)の方に、後半とくに、ミニコラボ実習あたりからは気持ちもこっちに向いていたんで、こっちメインでやってたかなという……。
今年ちょうど3年生なので後期以降は、来年の卒業公演につながるゼミの修了公演があって。
だからちょうど一番通いやすかったのかなと、振り返ってみて。

一番印象に残っている講義

ーー入ってみて、1年間いろんな講義があったと思うんですけど、中でも印象に残っているのは何ですか。

一番濃いのはミニコラボ実習……、ミニコラボ実習がすごい濃くて。
菊地班で演出部と、美術もやってたんですけど。
菊地監督と一緒に映画を作ったりしている安藤真人さんというプロの美術の方も来てくださって、
気さくで本当にいい方というか、色々教えてくださってとても勉強になりました。
なので美術も面白いなーと思ったり、大変でしたけど、終わってみたらすごい楽しかったっていう。
あとはシナリオ最初の開発みたいなのに関わったのもあって。

(注:ミニコラボ実習/グループに分かれてそれぞれがプロの映画監督と一緒に短編映画の制作をする実習講義。21期では、菊地健雄監督、大工原正樹監督、高橋洋監督、西山洋市監督が担当されました。)

ーーシナリオ開発はどういう感じで進めていったんですか。

その時は、最初……、プロットを全員出せるだけ出して、
中から監督が1個チョイスして、キーワードとかがあって、じゃあ第一稿書いてみようってなって、
演出部の人と、あとはやりたいと言った本間さん(同期の受講生)が書いてきて。
話し合って、それぞれ改稿を重ねて、話し合ってというのを繰り返し、最後菊地監督がちょっと直すというか。

ーー川瀬陽太さん(俳優)も出演されていましたね。

すごかったですね、監督の要求にきちんと答えるし、お芝居のアイデアも色々出してくれていました。
なんかこう……お芝居も監督が言ったことに対して、いろんなパターンが出来るっていうか。
全部が全部その役として成り立っている……、さすがだなと思いました。

初めての映画制作

ーー学校に入って初めて映画を撮って、技術面はどうでしたか。

すごい面白いですね。
今まで全然知らなかったなって思うし、照明とかカメラとかも……。今だにわからないこともありますけど、でも実習で撮影部になった時は自主練で、他の撮影部の人たちと一緒にやったりとかがあって勉強になりました。
やっぱり実習が多いので、自分たちでやりながら覚えるというか。

ーー修了制作も撮られたんですよね。

20分1カットでやったんです。

ーー本当に初めて撮ったんですか。

最初は本当どうなることかと思ったんですけど……。
結構スタッフの人から反対があったりしたんですけど、
何だかんだやりきって、正解かはわからないけどやってよかったなって。
映画美学校入る前にこう何か、撮るの勉強してたり撮ったりとかないので、
入ってきて、撮る……撮り始めたというか。本当課題とかで、という感じて。

(注:修了制作/学んだ集大成として希望者はひとり1本、映画を制作をします。)

映画美学校に入って変わったこと

ーー演技するよりも今は作る側の方に興味があるんですか。

今は多分、修了制作もあって気持ちが作る側の方に向いているのもあるんですけど、
でもどっちもやれたらすごいいいなって、(演技を)やりながら監督する人は同世代でもいたりするので、
どっちも大変なんですけど、なんか……、今はどっちも目指したいというか、
どっちもやっていいのかなみたいな、まだ悩んだりです。

これからのこと

ーーじゃあこれからは、初等科が終わったら自分で作ろうかなと思っているんですか。

そうですね、でも大学もあって、高等科もすごい迷ってはいるんですけど、通えるかな、と。
とりあえず(大学を)卒業しないとなって……。
なんか、繋がりというか、いろんな方に出会ったので、
撮りたい時に声をかけたりとか、かけてもらったりとかできたらいいなと思っているんですけど。

でも映画美学校に入って、明らかに作る方に対しての意欲が増したな、というのはありますね。
それこそミニコラボ実習でも演出部で、ちょうどサードだったりもして、カチンコとかやってて(笑)。
本当、今後スタッフというのでも関われたらいいなと思うんですけど、
それにはまあまだ足りないかなと思うんですけど、色々やれたらいいなと思います。

(インタビュー・構成/松山にき)