yoru_240第2期フィクション・コース高等科コラボレーション作品
2000年(38分)16mm→BETACAM

監督:万田邦敏
プロデューサー:松本正道 堀越謙三 アソシエイト・プロデューサー:山口博之 安井豊 大坪真理 脚本:大城宏之 万田邦敏 撮影:瀬戸慎吾 川野由加里 小林妙子 照明:足代裕希 田中深雪 萩野健一 録音:島田宣之 高野美和子 美術:加藤慶子 スクリプター:浦山三枝 編集:北岡稔美 音楽:青山真治 山田勲生 古池寿浩 助監督:山田英治 秋元エマ 谷口二郎 製作:大井孝信 竹本直美 石谷岳寛 撮影アドバイザー:宮武嘉昭 録音・整音アドバイザー:臼井勝 編集アドバイザー:筒井武文 ネガ編集:相沢尚子 現像・テレシネ:SONY PCL リレコ:シネマンブレイン

出演:境利明 浦工典 五味麗 山西由香 宮武嘉昭 浦智子 三上猛士 池田火斗志 米沢美和子 衣笠真二郎 田中優太郎 小塚雅之 山川宗則 居原田眞美

【ものがたり】川岸に、一人の少年が寝そべっている。傍らに赤いリュックサックが置かれている。同じころ、小さな印刷工場では24歳の青年、洋が働いている。真面目で腕のいい彼は社長夫婦に気に入られていたが、不景気の折から、夫婦は洋に工場を辞めてもらうほかないことを相談している。気のいい社長はそれを洋に言い出せない。自宅に帰った洋は、数年来音信が途絶えていた母親からの留守番電話を聞く。しばらく弟の潤の面倒をみて欲しいという。洋は潤とも数年来会っていない。土手に寝そべっていた少年が潤だった。その夜、二人は再会するが互いに相手を無視するような態度だった。翌日、洋は社長からクビを言い渡される。洋の地味で単調な生活の歯車が狂いだした。帰途、洋は川岸で異様な光景を目の当たりにする。それは、15歳の時に殴り殺した父親の亡霊だった。消し去ろうとしても消えない忌わしい過去の記憶が洋を襲う。潤は、洋の蛮行が原因で一家離散したことをなじり、洋の部屋を飛び出す。行き場を失った洋は、かつての恋人に救いを求めるが、彼女にも見捨てられる。洋は潤を探し出す。洋にとって、兄弟と言う血のつながりだけが自分をこの世に繋ぎ止めておく唯一の絆だった。

TOKYO FILMex2000上映作品
ARTE(ヨーロッパ・カルチャー・チャンネル)放映作品