ドキュメンタリー・コース 初等科カリキュラム

映画の基礎力をつける。未来に開かれたカリキュラム！

筒井武文（ドキュメンタリー・コース初等科主任講師）
ドキュメンタリー・コース初等科は、カリキュラム改革を行いました。

その1 映画の基礎力をつける

映画作家として自立していくためには、まず映画の基礎力をつける必要があります。映画の基礎力とは、映像、音、編集の三要素です。この三要素すべてが一定のクオリティに達しないと作品は成立しません。これは技術であると同時に、それぞれの要素の読み方の問題でもあるのです。ですから、プロとして年季を積まなくても、それを学ぶ方法はあります。今回の初等科は、課題に取り組んでもらうことで、映画の基礎力を身につけることができるカリキュラムに徹することにしました。

その2 講師間での論争を重視する

そして講師間で、常に対話をしながら授業をすすめて行こうと思います。それは初代主任講師の佐藤真監督の方針でもありました。つまり、映画に正解はひとつでないということです。講評の節目には、ドキュメンタリー・コース開講以来の講師である是枝裕和、諏訪敦彦両監督にご参加いただき、三人で討議しながら、受講生の皆さんの作品講評を進めます。場合によっては、講師の意見が対立することだってあるでしょう。その過程を共有して、最後は自分で判断してほしいのです。

その3 カリキュラムの最後に企画講評を行う

そしてカリキュラムの最後に受講生の皆さんが撮りたい企画のプレゼンテーションをしてもらいます。それを三人の講師が講評し皆さんと対話し、アドヴァイスする時間を設けます。
未来に開かれた形で終わるカリキュラムを試みます。

※2011年10月6日から10月13日までは、山形国際ドキュメンタリー映画祭が開催されています。